デビューするために必要な斬新な小説とは?

「さて――」名探偵が事件の裏側を語りはじめるとすぐに、雨が降り出した。

 

新しい作家には斬新な小説が求められる、と薄井ゆうじ氏は教えてくれました。

斬新な小説でなければデビューはできない、と。では、斬新な小説って何でしょうか。

作家は椅子取りゲーム

作家は椅子取りゲームに例えられる、と薄井ゆうじ塾長は語ります。新人はすでに作家の座っている椅子には座ることはできないのです。

※薄井ゆうじ氏が提供する小説塾についてはこちらの記事からよければ読んでください。

薄井ゆうじ氏の小説塾・6回課題コース受講

僕の場合、村上春樹氏や薄井ゆうじ塾長のように不思議な現象が物語に含まれる小説に心が惹かれます。

しかし、僕は彼らと同じような小説を書けたとしても作家としてデビューすることはできないのです。その椅子には彼らがすでに座っているからです。

では、どうすればいいのか。デビューするには、と薄井ゆうじ塾長は続けます。自分が座る椅子は自分でつくるのです、と。つまり、誰も書かなかった新しい小説を書いて、新しい椅子に座る、それがデビューする、ということなのです。

僕と同じように、あなたはきっとこう思うはずです。ではいったいどんな小説を書けばいいのか、と。

 

地に足をつけた人間たちの物語

新しい小説を書くのに、奇抜な小説や実験的な手法を取り入れる必要はない、と薄井ゆうじ氏は語ります。かなりの確率で失敗していまうからです。

これは僕が現在ははまりこんでいる穴のことです。薄井ゆうじ塾長に何度も指摘されて、ようやく、自分が穴にはまり込んでいたことに気づいたのです。そこから出るように努力しています。

【小説塾全6回コース・第4回講評】なぜわかりにくく書こうとするのでしょうか

レイモンド・カーヴァーも創作における実験小説には否定的な姿勢を見せています。

非常にしばしば、「実験小説」は文章の杜撰さや愚かさや模倣性の免罪符になった。きわめて往々にして、その手の文章は我々に世界のありさまについてのニュースをもたらしてくれない。あるいはさもなければ、それが描写しているのは砂漠の光景、ただそれだけである。いくつかの砂丘があり、あちこちにトカゲがいる。しかし人間がいない。人間と認められるようなものはそこに生息していない。それは少数の専門的な科学者にしか興味の持てない世界なのだ。

レイモンド・カーヴァー「書くことについて」『ファイアズ(炎)』村上春樹訳 中央公論新社 pp41

 

たわらが考えるに、奇抜な発想や、突拍子もない筋書きだけではいけない。そこに地に足をつけた人間がいないからだ。砂丘やトカゲの話でなく、人間の物語を書く必要があるのです。

なぜ、地に足をつけた人間を書けないのだろうか?

 

自分だけに見える世界を読者に見せる

奇抜な小説でなく、リアルな人間が動き、物語が進む小説を書く必要があります。そして、それは誰もこれまで書かなかった小説でなければいけません。

自分の感性を磨いて、自分だけにしか見えない世界を見つめて、その新しい世界を読者にも見せてあげる。それが新しい作家には求められる、と塾長は教えています。

そのためには、「①わかりやすく書く、②自分が読んで楽しめるものを書く、③読者が楽しめるものを書く」必要があると指摘していただきました。

自分だけの世界を立ち上げ、自分だけの椅子をつくり、その椅子にゆっくりと座る自分を想像するとわくわくします。

 

読んでくださったかた、ありがとうございます。

 

たわら