小説の不思議な力を嫌わずに、執筆を続けるためには

「さて――」名探偵は耳に届く音色、肌を撫でる風、鼻腔に広がる匂いから推理を進める力を得た

こんにちは、たわら(@Whale_circus)です。

小説を書き続けるには何が必要だと思いますか。机に向かって頭を捻り続けるには小説を書こうというエネルギーだけでは前に進めないはずです。

小説以外に心の拠り所を持つことが大事だと、僕は考えます。

1 自立するとは依存先を増やすことである

小説を書く、ということは表現したい何かがあなたを突き動かしているに違いありません。小説を書かないと、いてもたってもいられない。だからあなたは正気を保つために、健全な狂気を身にまとい、物語を言葉で紡ぐことになります。

小説を書き続ける上で避けたいのは、小説を嫌いになってしまうことです。より正確に言えば、小説の持つ楽しみや美しさを感じさせる力を嫌うことです。

作家の中には小説は嫌いだけれど書く、という方がいると聞きますが、執筆が嫌いなだけであって、小説の不思議な力は信じているはずです。

小説への思いが強すぎて、「小説こそが世界と自分をつなぐ唯一の媒体だ」と考えてしまうと、小説特有のパワーを信じなくなり、果ては小説自体を毛嫌いしてしまう可能性があります。

世界とのつながりを一つに限定してしまうことが原因です。安冨歩が指摘しているように「依存する先が減ると、人はより従属してしまう」のです。

小説だけに頼ると、小説があなたとミスマッチしてしまったときに、お互いに損なう結果となってしまいます。

【自立とは他者への依存の脱却ではない】安冨歩「生きる技法」の「自立」について

2 世界との接点を複数もって多元的に生きる

だから健全に小説に向かうには、小説に加えて小説以外を充実させる必要があるのです。世界との接点を小説だけにしぼらないことです。たとえ、小説こそ至高だと思ってもです。

小説だけに依存することは、小説に従属することになりかねません。従属感を抱えながら気持ちよくは執筆できませんよね。

例えば村上春樹はランニングや音楽を愛していますし、ジョン・アーヴィングはレスリングに夢中です。他にも絵に造形が深かったり、生物学に精通していたりといろいろな小説家がいるはずです。

こうすることで小説のみに依存する危険性を回避するだけでなく、世界を多元的に眺めることができます。小説という観点だけでなく、音楽、生物学、レスリングという視点から世界に向かうということです。

世界(の向こう側)への経路を複数持つことは、必ずといっていいほど、小説執筆に好影響を及ぼすはずです。共鳴し、あなたを揺さぶることでしょう。交差する眼差しはもう一段階深い世界の様相につながるでしょう。

僕も今後小説以外の行為を深めていこうと思います。とりあえず、ボクシングジムに再度通おうかな。

 

読んでくださったかた、ありがとうございます。

たわら