小説を書くことで、世界に対する無知を自覚し、学習回路を開放することができる

「さて――」名探偵は事件をより大きな視点で語り直し始めた。

こんにちは、たわら(@Whale_circus)です。ツイッターで小説執筆の文字数を毎日つぶやいています。

小説を書いているとたくさん不思議なことが起こります。別の記事でははじめて小説を書いた際に経験した狂気をはらんだとも形容できる現象をまとめました。

ふと小説を読み直しているときに、小説を書くということの素晴らしさのひとつに気づいたので、ここに記事にしたいと思います。

それは、「世界への無知の自覚と学習回路の開放」です。

【ドッペルゲンガー・落雷・湧き出る熱】はじめて小説を書いたときのはなしをしよう

1 小説を書くということは世界を立ち上げること

ある人物を登場させ、風景を描写し、別の人物と会話させる。物語のはじまりです。そこにはリアリティがなければなりません。

リアルでなくて、リアリティです。ノンフィクションではなく、フィクションなのですから。リアリティを物語にもたせるためには、ある程度の正確な情報が必要です。

例えば制度の紹介では、棺を火葬するボタンは、誰がどのように押すかを係の人に尋ねられる、というような事実を見落としてはなりません。

風景描写であれば、鳥や植物の名前、乗り物の名称、洋服の呼び方などのディティールが大事になってきます。女の洋服は上が赤で、下がジーンズだった、だけだと物足りないですよね。

会話も簡単ではありません。90歳の女性が非行に走る孫娘が落ち込んでいるときにはどんな言葉を使うのかを想像する必要があります。不自然な言葉遣いではなく、登場人物が自然と口にするような言葉を紡ぐことが求められます。

別の世界を立ち上げる、という作業には数多くの点検項目があり、また構成要素の関係性を時間も含めて確立することが求められます。読者には一瞬たりとも不自然だなと思わせてはいけないのです。

この作業に取り組み続けるメリットは自分がいかに世界に対して無知であるかがわかることです。

 

2 世界に対して学習回路を開く

世界に対して無知であることを自覚するのは簡単ではありません。なるべく自分が知っている世界に安住しようと人間ならだれしも考えることでしょう。しかし、その場にただ留まってしまうと、やがて学習する機会が失われてしまいます。

小説を書くという作業は、世界に対する学習回路を開放することといえます。

世界について言葉を与えようとすると、世界に投げかける言葉の数が少ないことに驚くことでしょう。また、同じ言葉を繰り返して使用する傾向があることがわかります。

描写したいけど、できないから調べてみる。会話の参考にするために、カフェでの他人の会話をそれとなく聞いてみる。世界に対する学習をするために、自分を働かせることができます。

学習し、反映させ、また学習する。どこまで世界を立ち上げられるか挑戦することは、自分がどこまで世界を知っているかを明確にすることに通じます。世界に対する無知を自覚できれば、現時点での進むべき対策が打てます。新しい知識はあなたにビルトインされた想像力をさらに刺激することになります。

 

まとめ

小説を書くことは、世界に対する無知を自覚し、学習回路を開放するというメリットがあるのです。みなさんも筆をとってたくさん小説を書きましょう。

読んでくださったかた、ありがとうございます。

たわら