【ジョジョの奇妙な冒険:第七部】望ましい方向へ進んでいると自覚し実行することこそ最高のパフォーマンスを引き出す【「光」の中へ】

「さて――」名探偵は心臓から飛ぶでた血液が脳にまわるのを意識しながら口を開いた

こんにちは、たわら(@Whale_circus)です。

自分が体調を落としているときはどのような場合が多いか比較的容易にわかります。体が熱っぽくてだるい、まぶたや口がいつもより重いなど、ひとそれぞれ思い当たることがあるでしょう。

では、自分が最も生産性が高くなる状態を把握していますか?

僕にはこれまで生きてきたなかで、いささか心当たりがあります。

「望ましい方向へ自分が進んでいると自覚し実際に行動しているとき」それが僕のたどり着いた現時点での結論です。

この事実に気づいたのは高校生のプール大会でした。そのことについては別記事でまとめました。

しかし潜水の例を持ち出すまでもなく、もっとわかりやすい具体例が身近にあったので今回はそれをご紹介させていただきます。

ジャンプコミックスのジョジョの奇妙な冒険第7部「スティール・ボール・ラン」のワンシーンです。

【望ましい方へ向かっている、それを感覚すること】村上春樹に学ぶ「毎日小説を執筆する方法とその効用」

1 「スティール・ボール・ラン」は乗馬によるアメリカ大陸横断レース

荒木飛呂彦による大人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の第7部が「スティール・ボール・ラン」です。

ジャイロ・ツェペリとジョニー・ジョースターがスタンドを使用しながらレースを勝ち進んでいく物語です。なんと優勝賞金は60億円! わお!

2 ジャイロ・ツェペリVSディエゴ・ブランドー

そのシーンは第9巻第38話で語られます。

主人公の二人ジャイロ・ツェペリとジョニー・ジョースターは先を走るディエゴ・ブランドーよりも先に目的地になんとしてでもたどり着く必要があった。

イギリス競馬界の貴公子ことディエゴ・ブランドーは卓越した乗馬技術を持つ天才ジョッキーであり、スタンド「スケアリー・モンスターズ」が使えます。生物を恐竜化して襲わせたり、自身を恐竜化することで人間を遥かに超えた感覚・身体能力を獲得できたりする驚異のスタンド能力です。強いんです。

それに対して追い越そうとするジャイロはスタンド能力をこの時点では持っていませんでした。どうやって闘うんだ!

嵐(!)の草原でディオを抜くことは不可能にジョニーには思えたのですが、ジャイロは言うことを聞きません。

抜かそうとするも、草原のなかでまったく無駄のないベストルートをディオは培った経験と恐竜の感覚をもって走りつづるのです。起こりえないライン取りのミスを待つしかありません。

しかしジャイロは追いつきます。そのシーンこそが「望ましい方向へ自分が進んでいると自覚し実際に行動している」ことを表わしているのです。

無理に追い越そうとしたツケがやがて愛馬ヴァルキリーの疲労として現れ、ジャイロは遅れてしまいます。ここからそのシーンがはじまるのです。一部抜粋してご紹介します。

そうだ…オレはこれでいい

オレはこのラインでいい…………

オレとヴァルキリーだけのラインで……

この草原でDIOの道がベストというならそのラインは敵にさし出してやるのもいいだろう………

あえてな

 

『厳しい道を行く』か…

厳しいな……

ただし………

オレとヴァルキリーだけのラインを行く

その道にはとどこおるものは何もなく…

なめらかに回転するかのような…

オレとヴァルキリーだけが…

『なじむ道』

 

DIOのラインなんぞ見えなくていい……

天候も嵐も関係ない

味方のジョニーも消える

 

オレたちだけの「気持ちいい道」だ!

 

リンゴォの話だとその先には「光」がある筈だ…

」を探せ!

 

「光」の中へ

そして気づくとディオの馬の後にピタリとくっつくまで追いついたのです。もっと正確にいえば、追いついて「いた」のです。気持ちの良い道をひたすら走っていたら結果的にベストなライン取りになっていた、ということです。

このあとの接近戦については漫画でご覧ください。面白いですよ。

ちなみにリンゴォとはその前に戦った敵の名前です。スティール・ボール・ラン史上最高の戦いであることは間違いないです。

 

3 望ましい方向へ進むには気持ちよさの自覚が必要

この描写には、自分の気持ち良い方向を自覚し、その実行に没頭することの重要さがみてとれます。そうすると「結果として」最高のパフォーマンスを引き出すことができるのです。

自分自身の気持ちの良さに注目するには、自分自身以外を忘れることです。敵も味方も環境も。何かの基準を参照してよい・わるいを判断していません。

そして気持ちよさを感じるには精神だけでは足りません。身体性が重要なのです。ジャイロとヴァルキリーが「走っていて」もっとも気持ち良いルートを選んだからこそ追いついたのです。気持ちいいと「思う」のではなく、気持ちいいと「感じる」ことに目を向けるのです。

身体に着目するのは近代から現代への知の変動のひとつの流れです。また安冨歩が指摘するように、自己嫌悪から逃れる方法も気持ちよさを重視しています。

【世界観を見直す】物心二元論から生まれる自我中心主義、自民族中心主義、普遍主義、国家主義

【生きる技法】自己嫌悪を埋め合わすための自己愛は利己的行動を促し、他人の美点に執着する可能性があるので自愛しよう

まとめ

最高のパフォーマンスを得るには、望ましい方向へ進んでいることを自覚して実際に行動することです。何を望んでいるか、望んでいる方向はどちらなのかを知るには気持ちよさに注目する必要があります。そのためには、身体に着目してみることがはじめの一歩です。

言葉の説明ではピンとこない方はぜひスティール・ボール・ランを読んでみてください。一気読み必至ですよ。きっと。

 

読んでくださったかた、ありがとうございます。

たわら