【世界観を見直す】近代の知のまとめ、20世紀の知のまとめ、現代の社会問題の要点

「さて――」探偵は自らの価値観を乗り越えることで犯人の動機に迫りはじめた

こんにちは、たわら(@Whale_circus)です。

歴史と知についてはおおまかな流れを把握しておきたい。どんな過去があり、どのような経過をたどり、そして現在にいたっているのか。

座標軸をひくことができれば、あなたが社会的であれ精神的であれ問題を抱えたときに、自身の立ち位置がわかるはずだ。人が道に迷うのは、現在地がわからないからだ。

日の差す方向、川のせせらぎ、生えている樹木、地質などの知識があれば生存確率が高い可能性を選択できる。同じように、歴史背景や知について知識があれば生活をする上で、不快を減らし、快を増やせるに違いない。

長尾達也「小論文を学ぶ」はその勉強にもってこいだ。

1 物心二元論に端を発する近代の知

1-1 二元性

近代の知の基底にはデカルト由来の物心二元論が潜んでいる。

自然と精神を分けて考える思考方法を指す。思考する精神を、魂なき自然より上位に置いた。そして世界の究極の存在は自我であるという自我中心主義が生まれた。

自我中心主義は〇〇中心主義に派生したのである。物事を二分割し、片方に優位性をもたせる思考法にならっている。男性中心主義、自文化中心主義、自国中心主義(帝国主義)などなど。

さらに自然には法則が存在するという客観主義が生まれた。魂なき自然においては、どんな現象であれそこには法則が存在し、あらゆるものは必然的にその法則の下にあるのだ。普遍主義といえるだろう。

自然から切り離されて孤独になった近代人は自分を自分だけで支える必要に迫られた。ひきこもりという社会現象の一因とも考えられる。

【世界観を見直す】物心二元論から生まれる自我中心主義、自民族中心主義、普遍主義、国家主義

1-2 分析性

近代の特徴の2つ目は分析性である。言いかえれば、バラバラ性である。原子論という世界観を考えればすぐにわかるだろう。これ以上分割できない存在までバラバラにすることで、物事を理解するやり方である。

このような世界観のもとでの社会では個人主義が生まれるのは自然のことだろう。社会をこれ以上分割できない単位にまで分解すると個人が生まれるのだ。この個人主義から社会契約説や自己決定権が生まれたのである。

バラバラ性には、物事をバラバラにすれば理解できるという思考と、元に戻すのは簡単だという思考がある。つまり還元主義という考え方である。ここで見落とされてしまうのは再現不可能性である。

例えば人体はバラバラにしたら元に戻らない。また例えば資産を増やすのに全員が倹約したら社会全体の金回りが悪くなり、結果的に所得が下がり、みんな不幸になってしまうというようなパラドックスも存在する。バラバラなものを足し合わす過程で失われてしまうものがあるのだ。

【世界観を見直す】物事をバラバラにして理解し、元通りに構成し直すという線形思考の限界が環境問題

1-3 合理性

近代の知は合理性を重要視する。何を当たり前のことを、と思うかもしれないが。

物心二元論の元では、魂なき自然はただの巨大な機械になりさがる。ゆえに機械的に稼働する自然には法則があるはずであり、その法則に従うことが合理的なのである。

肉体までもが機械であるという認識にいたると、体はその人の所有物となる。自分の体を自分がどのように使おうが勝手だという主張を導くことになる。ここから援助交際、臓器移植などの発想につながる。

魂なき自然に比べて精神は豊かである。精神は内部に理性や合理を持っていると考えるのだ。理性を巨大な機械である自然・社会に向けることでより良くできるはずだ。こうして啓蒙主義が発生したのである。拍車がかかるとユートピア思想に成就する。

精神以外を客観的法則に貫かれた機械だと考えると、決定論が生まれてくる。現在の状況は過去によって決定されており、現在の状況が未来を規定しているのだ、という理論である。

この決定論が歴史記述に応用されると進歩史観が誕生する。現状を変えれば未来は良くなるはずだと考えることである。それこそ無限に、である。

そう考えていた人類が二度の世界大戦を経験したのは周知の事実である。

【世界観を見直す】機械論的世界観は、機能主義、効率主義、啓蒙主義、理性主義、決定論、進歩史観は導出された

2 20世紀の知の展望と現代の諸問題

筆者は20世紀の知として、3つのテーマを掲げる。

相対性、統合性、動態性である。

相対性とはデジタル化、脱中心化(共生社会)、多元主義というキーワードで解説される。

統合性は、エコロジー、ネットワーク、システム思考といった言葉と関連している。

動態性も、コミュニケーション、自己組織性、複雑系(プロセス思考)といった3つのキーワードを柱としている。

長尾はこれらの概念をいちいち説明せずに、現代の社会問題を思考する際にそれらを使ってみせる。

筆者が慧眼の持ち主だとわかるのは、現代の社会問題を整理すれば6つの問題に行きつくことを喝破していることである

すなわち「環境問題」「情報化の問題」「異文化理解の問題」「個と公共の問題」「科学文明の問題」「教育問題」であると。

 

今後、これらの社会問題の考え方を少しずつみていくことにする。

読んでくださったかた、ありがとうございます。

たわら