僕の素敵な内観レポート②~生活環境と内観の目的~

さてーー(名探偵は人差し指を立てて謎解きをはじめた)

前回の内観レポート①では概要をふわりと説明したので、今回は具体的な話をしよう。

僕の素敵な内観レポート①

一週間も生活するにあたってまず衣食住が気になる方もいるかもしれないが、心配する必要がまるでないとお約束しよう。食事、風呂、トイレ、部屋とたいへん快適に過ごせる。そこには清潔感を超えた何かを感じることさえある。きっと誰もが抱いたことのある、神社仏閣や教会など生活のなかで神聖に扱われる場所にふと足を踏み入れた瞬間に感じるあの何かが潜んでいる感覚を。そしてその何かを裏切ってはいけないという感覚を。清潔さもある水準まで達すると畏敬の念を引き起こすみたいだ。

清潔で快適な衣食住について

まず食事について。一日三食が配膳される。そう配膳されるのだ。まさに内観している屏風のすぐそばまで。誰が? なんと所長とその奥様(だろう)の二人!がわざわざ部屋に入り、屏風の近くに食事を置いて、屏風をずらして一言添えてくれる。「お食事です」。余計なことは何も言わない。先の記事にも書いたけれど、この場所では余計なコミュニケーションはとってはならない。

ただのお盆に載せられて運ばれるわけではない。食事は日本膳(お盆に堂々とした足が四本生えている)にのせられている。なんだか戦国大名になった気分だ。食事は野菜を中心に栄養バランスが整い、和洋中が続かないように配慮され、季節の果物まで用意されている。野菜は素材本来の味を十分に発揮し、米の粒立ちも合わさって、幸福な時間を過ごせる。敵陣から奪った土地を料理番の方に惜しみなく与えたくなるほどにおいしい。同じメニューは二度となかったことも言い足さなければいけない。

風呂、トイレも清潔に保たれている。毎朝清掃担当者が持ち場を掃除するからだ。内観初日に、ひとりずつ持ち場を決められる。トイレ、風呂場、廊下など。まず起床してから布団を片付け、部屋に掃除機をかけ、各自持ち場を清掃する。毎朝清掃するので、ほとんど汚れていない。振り返れば、清掃という行為がその後の内観を支える小さくない機能を果たしていたことに気づく。そんなことはもちろん、初日に考えおよぶはずもない。とにかくきれいで快適だったので、衛生面に関して心配は必要ない。

ただ、トイレに関してはひとつ付け足しておく。教訓が貼ってある。小便器も大便器にも、あなたの目線の先には教えが筆文字で掲げられている。例えばこんな教え。「与えても減らぬ親切、残る徳、成り行きは偶然に来るものではない」などなど。

幸福とは条件の追求ではない

本格的な内観生活に入る前に所長による内観の講義を受ける。入所初日の夜に皆が所長室に集まるように各部屋にアナウンス!が流れる。そこで90分ほど脳みその仕組みや幸福についてのお話を聞く。残念ながら話の切れ端をメモしているだけで、全体が思い出せない。残っているメモから類推するにおそらく次のような内容だったはずだ。

「幸福とはお金、容姿、才能、地位などの条件の追求ではなく、自分にいかに愛されているかを確認することである。ただしく愛情が認識できないと、どうして自分だけがこんな目に、、、などと考えて不幸につながってしまう。いやな記憶がひとつもないのが理想である。内観に一生懸命に取り組めばその状態に近づける」と。

読者のみなさんの頭にある疑問を僕も当然その場で抱いた。この人いったい何をいってるんだ? 僕はとんでもないところに来て、洗脳されてしまうのだろうか? と同時に正反対のことも考えた(これは僕の一つの性向かもしれない)。本気で取り組んだら、どのような変化が生活にもたらされるのだろうか? そして7万円!も払ったことを思い出し、真面目に取り組む決意をした。

降り注ぐような愛情を感じる

内観の目的は自分自身を知ることに尽きる。記憶を丁寧に思い起こし、その当時お世話になった人に①していただいたこと ②恩返ししたこと ③迷惑をかけたこと を調べる。その結果どうなるのか? 創始者とされる吉本伊信はその著書で次のように簡潔にまとめる。

「降り注ぐような愛情に包まれて、今日まで生活しておったにもかかわらず、自分自身が周囲の人に対してほとんどお返ししていない。借金だらけだ。わしみたいな悪い奴が、よくこうして生きて居れるものや。ありがとうございます」(事業は人なり 1976)。

言い換えれば、今まで与えられたが見逃していた愛情に気づいて感謝し、彼ら彼女らに何ら恩返ししていない事実に向き合って今後の生き方を見直す、ということになる。文章にすればなんちゃないが、朝5時から夜9時まで一週間続けて内観するとこの言葉の重みがわかる。

では、僕の場合はどのような気持ちの変化が心と体に起きたのか? それはまた別の機会に。

読んでくださったかたありがとうございました。

僕の素敵な内観レポート③内観の質の変化と「ウソと盗み」







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