【小説塾全6回コース・第2回講評】完成度も高く、まとまっている

「この話はもっと注意深く推敲して、もう少し長めに書くと、良いものに仕上がりそうな気がします」

さて、1月から受講している薄井ゆうじ氏の「小説塾・6回課題コース」の第2回課題への講評が返ってきた。

薄井ゆうじ氏の小説塾・6回課題コース受講

今回は前回の反省を生かし、書き手の意図が伝わるように努めた。前回に比べて、完成度が数段高くなっていると評価していただいた。もっと長くすれば、良い物語になりそう、と前向きなコメントをもらえた。

【小説塾全6回コース・第1回講評】小説として機能していない

誤解から始まる物語

今回の課題は、間違った名前を呼ぶ会話からはじめること。登場人物Aが登場人物Bを誰かと勘違いする。そのシーンから物語を立ち上げていることが課題だった。400字詰原稿用紙15枚以内。

気の利いた会話を登場人物にさせることは現在の僕にとって簡単じゃない。洒脱で瀟洒な、日常で真似したくなるようなセリフで物語を動かせるようになりたい。

作品「三日月に散る」

僕が今回提出した課題作品の題名は「三日月に散る」。

あらすじは次の通り。


「おお、山田、久しぶり」と雪野まゆみは見ず知らずの男に声をかけられる。雪野は否定する。だが男はなれなれしく肩に腕をまわす。「知ってるよ。雪野まゆみだろう」と男は雪野の名前を言い当てる。「声を出す」と突き放すと男は雪野に向かって言い放った。「君の友人が言うように、出したいけれど、出せないものに力を注ぐべきだ」と。「例えば」と問いかける雪野に男は答える「思い出せない記憶とか」。男は続ける。「君を助けるように頼まれた」と。

雪野は男を振り切ると大雪の中、駅から図書館に向かう。子どもたちに絵本を読み聞かせるために。図書館に立ち寄った際に、雪野の舞台を観劇した司書に頼まれたのだ。劇団は順調だと雪野は嘘をつく。半年前に劇団を辞めたことを司書の新井に伝えてはいない。

子どもたちに絵本の読み聞かせる前に、あの男がテーブル席で読書しているのに気付く。絵本は新井の娘がリクエストした「三日月」。

両親のいない少年が主人公。両親がなぜいないのか、祖母は教えてくれない。授業参観日に少年は山神の存在を知る。すべて知っている山神に会いに少年は三日月の夜に家を出る。闇に迷い、大樹に背を預け、両親を思い、溢れた涙が根に落ちると、突如として真っ赤な花が咲き、風を受け、花びらが散る。無数の花びらの奥から山神の声を聞く。両親を殺したのはお前だ、と。記憶を葬ったのはお前だ、と。記憶が少年の中から湧き上がると、両親が現れる。「思い出してくれてありがとう。愛している」と。少年は、朝日を受けて、幸福に生きる決意をする。

絵本を閉じると、あの男は消えていた。「先生にとって本当に大事な記憶はどうやってわかったの」と少女に聞かれた雪野に思い当たる節がない。秘密にして逃れるしかなかった。

帰り道の横断歩道で雪野は空に三日月が浮かぶのに気が付く。横断歩道の向こうからあの男が歩いてくる。雪野の目を射抜く。と、突如目の前に真っ赤な紙吹雪が舞う。「記憶を葬ったのは、雪野、お前だ」と男は向こう側から言う。雪野の中で記憶が蠢き、やがて湧き出る。雪野は思い出す。小さい頃に観劇した舞台女優を。そしてそのとき抱いた感情を。さらにこの男の名前を。

内枝は新井と娘、そしてドローン業者に感謝する。内枝はタイムカプセルに同封されていた、当時の雪野が内枝に宛てた手紙の指示通りに手配したことを告白する。劇的に記憶を蘇らせるように、と。二人は昔話をしながら帰路につく。


次回に向けて

はじめて三人称で小説を書いた。主人公以外の登場人物の感情や過去に好きに入り込める自由は心地よい。

「地に足ついた」登場人物が繰り出す物語を念頭に書きすすめたので、物語が突拍子もない方向に進まないように注意しながら書いた。熱くならないように、熱くならないに、と唱えながら。次回はエネルギーをぶちまけつつ、構成のしっかりした小説を書こう。普通の人びとが紡ぐ、どこか幻想的で、さらに腹の底をぐっと持ち上げるような物語を書くように精進しよう。

ともあれ、褒めてもらえたのはとてもうれしい。もちろん、前回がひどかったから今回がよくみえる、ってのもあるかもしれないけれど。

また、テーマというか、僕が小説を書く原動力みたいなものが、読み手と共有できたのが、大きな発見だったと言える。物語に浮かび上がる、僕にとっての人生の行動原理、のようなものを意識的に把握し、磨き上げ、武器にしたい。物語を創ることは、自己治癒的側面をもつのだ。

ちょっと褒められたからといって、浮かれている。褒められるために小説を書いているわけじゃない、と言い聞かせないといけないなんて、まだまだですね。

次の課題に取り組み中なので、講評が返ってきたらまた記事にします。

読んでくださった方、どうもありがとう。







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